Oさんの場合 1

Oさんとは、中一の時に初めて出会いました。


実は、 Oさんは3人兄弟の末っ子です。

私は、長男であるお兄さんのクラス担任でした。



家庭訪問をして、0歳から1歳の
 Oさんに会ってた可能性があります。

お母さんに10年以上ぶりに再会して、

あの家庭訪問の事を思い出しました。






療育手帳のA2をもち、

表出言語のないOさんでしたが、

愛嬌のある典型的なダウン症候群の中学1年生でした。


こちらの言う事は?

ほとんど理解して、活動していました。

特に音楽が好きで、彼なりの理解で発声をしていました。



おちゃめで、

ユーモアのセンスがあり、

こだわりもあり、指導に不慣れな私は 毎日が悩みの連続でした。


 



仲良くなりたいと

手を変え、

品を変え

いろいろ本を読んだり

試行錯誤の連続でした。



お母さんの希望で自力通学をしたいと

バスのトレーニングをしました。


1人でバス停から学校まで歩いている彼に

毎日付き添いました。


3ヶ月もすると、

1人でバス停から学校。

学校からバス停。

バスを選んでバスに乗れるようになりました。

本当に素晴らしいと思いました。





表出言語の勉強されている教師がいて、

Oさんに言語教育をしてくれました(ことばの教室です)。


なんと1年生の秋には、

「テ・リ・テ・リ」と言えるようになりました。


私はいつもトイレで


「ま つ お 」と


大きく口を開けて本人に教え込みました。


ある日 「ま・ひ・お・テ・リ・テ・リ」と発音してくれました。


「テ・リ・テ・リ」とは 


わかりますよね。


Oさんの「先生」なんです。

 

Oさんなりの言語です。


あのOさんの笑顔と声がいつも思い出されます。


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