自分で考える②

 秋ちゃんに自分で考えてもらうために、私たち(教員・大人)は、壁を作りました。壁、というよりハードルでしょうか。

人は、スムーズに事が進んでいくと考えることをしなくなります、。支援が多いほど、人は考えなくなります。

けれど、目の前に困難な状況、乗り越えなければならない物事があると、それをなんとかして乗り越えようとして、人は考えることを始めます。

私たち教員(大人)は、子どもたちにハードルをクリアしてもらうために様々な支援をします。

冬ちゃん(仮名)は中学部の女子です。学校で自分の周りにあふれている情報がとても気になる女の子。

今日欠席のあの子はどんな理由で欠席しているのか、先生たちはいつどこに集まって会議を開くのか、、(笑)、、。

その興味は、特定の友だちに向かうこともあります。いつもその友だちのそばに行って話しかけたり、その友だちの連絡帳をチラ見したり、、、。

しつこくなってきて、その子が嫌がるようになりました。冬ちゃんとその子の関係がよろしくない感じになってきました。その子は当然、冬ちゃんにやめてほしいわけです。

「冬ちゃん、連絡帳をのぞかないで。」

「〇〇ちゃん、嫌がっているよ。」

私たちが冬ちゃんに直接的な言葉で言うこと、また、〇〇ちゃんの気持ちを代弁して冬ちゃんに伝えることもひとつの方法。

でも。私たちは冬ちゃんにこんなふうに言いました。

「よし、冬ちゃん、どんどん〇〇ちゃんに話しかけよう!!。どんどん話しかけて、どんどん連絡帳見て、どんどん嫌われるぞ~~!!」

そういわれた時の冬ちゃんの表情!お見せしたいくらいです(笑)。私たちが言葉で作ったハードル。・・・冬ちゃんは考え始めます。

「どんどん、話しかけな~い、、、。どんどん連絡帳みませ~ん、、、。嫌われたくないです、、、😔。」

それでも、しばらくは〇〇ちゃんへの興味は続きます。すぐには変わりません。ですが、このやりとりを続けているうちに「自分のしていることが大好きな〇〇ちゃんにとっては嫌なことなんだ」とわかったのか、自分の言動をふと考え、立ち止まるような姿が見られるようになりました。


自分で考える子になってほしい。


我が子に対して、担当しているお子さんに対して、誰もがそう思うものです。

けれども「自分で考えなさい!!」と言い放っても、なにも変わらない。どうしたら自分で考えるようになるのか・・。それは周りの大人のかかわり方次第のように思います。

ヨカたのの活動の中でも同じことが言えます。スタッフから与えられるだけではなく、自分で考えて動く。そこに楽しさを感じてくれる方が増えたら最高なのですが。


余談)ダウン症の男子に同じようなアプローチをしたら「(嫌われても)いいも~ん!」ってなりました。そりゃそうだ!みんなそれぞれですから・・。日々ハードル上げられてます😅。

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